こう暑いと 小千谷縮や近江縮、上布などの
麻や苧麻の着物が手放せません。
麻を着たことが無い方は 本当に涼しいの?
何着ても暑いでしょー? と言われますが
麻、苧麻は本当に涼しくて
あぁ夏でもこんなに楽に着物が着られるんだ、と目から鱗もんです。
今日は 何故涼しいのか、を検証します。
実は「麻」と呼ばれる植物は存在せず
リネンやラミー、ジュードなどと呼ばれるような植物の総称です。
また上布に使われれる苧麻は 麻と呼ばれるのとは別の植物です
麻、苧麻は触るだけで ひんやりと感じます。
綿や絹と違うのは その繊維の断面がドーナツ状になっていること。
それゆえの特性として
@水分の吸収性が良い水分の吸湿性・発熱性がもっとも早い。
@熱伝導率に優れているので暑さの発散性に優れている。
という点が挙げられます。
熱と湿気を奪う性質を持っているのです。
(綿や絹は 保温、保湿の性質です)
日本の夏の強い味方となる性質といえますね。
こんな利点を持った麻、苧麻ですが
弱点としては
@折れジワがつく 弾性が乏しいため通常の繊維よりシワになりやすいと言えす。
これは ストローを思い起こして頂いて
ストローを折り曲げると、その部分は白くなってしまい
元に戻そうとしても戻りません。
それと同じで麻の繊維も一度深く折れしてしまうと
水を十分に含ませて伸ばしても なかなか元には戻りにくい性質をもっています。
しかし 着るたびに、そのシワも自然なシワになりますから
シワも味の内、と思ってください。
麻や苧麻はどうしても繊維に毛羽がありますので
ちくちく感を抑え 光沢と程よいシャリ感を出すために
繊維に糊付けをします。
産地によって こんにゃくや海草を使って糸を1本づつコーティングして
さらに涼しさをアップしています。
麻は着てみると 触っただけでヒヤっとしてますし
女性の着物は 衿足や身八ツ口から 風が入って
どんどん熱を奪ってくれます。
雨にも強いし 着なきゃ損、ってもんです。
着ましょう!麻。