それでも すっかり日が伸びて夕方5時でも明るくて
そこはちょっと嬉しいです。
陽当たりの河津桜がほころびはじめました。
現在 きものの中には絶滅危惧、どころか
絶滅まっしぐら、のものが少なくありません。
安泰なもののを探す方が難しいほど・・・というかないかも?
多くが後継者がなく、
分業の内1つが欠けても立ち行かなくなります。
そんな中 現在2軒だけで織られている白鷹お召。
年間生産量が50反ほどだそうです。
じざいやに登場するのも 絣ものは2年ぶりです。
白鷹お召は山形の白鷹という地区で織られています。
米沢藩主であった上杉鷹山によって
米沢は織物産業が盛んになり また染料の紅花の産地でもあります。
米沢よりずっと奥にある白鷹で織られる白鷹お召は
独特のシボがある紬のお召で 絣の北限と言われています。
白鷹お召は 板締め絣、という技法で絣が作られます。
板締め絞り、ではありません。
絣を板締めで作っているのは現在は 白鷹お召のみ、
それも2軒しか残ってません。
以前は 群馬県の高崎や桐生の銘仙やお召にも
板締めの技法が使われていたようですが
現在は廃れてしまいました。
板締め、というからには板で締め付ける訳ですが
板は、絣の文様の設計図に合わせて、
数ミリ単位で溝が掘られている板染め専用のものです。
絣の柄をそのまま板に彫るわけではなく
絣柄の点と点が経緯で重なって柄になるように分解して
板の上に設計されて彫られます。
板の厚みも計算に入れて設計されるのですが
近年は複雑な文様を彫ることのできる板大工がいなくなったため、
新たな文様の板製作は難しくなりました。
その板の一枚ずつ板に糸を巻きつけながら、板を重ねていきます。
この時、糸の張り具合が変わってしまうと、
織り上がった時に柄がずれてしまいますので
細心の注意をはらって糸を巻き付け行きます。
糸を巻き付けたら重ねていきます。
柄により、30~50枚の板を重ね、上下に押し木を当てて仮締めをして、
板溝の微妙なずれを木ベラで合わせていきます。
この時、溝をきちんと合わせないと、糸に絣文様がつきません。
白鷹お召の絣柄は越後上布や弓浜絣に見られるような
絵絣ではなく 亀甲や十字を並べて表されるものです。
武士にも好まれたというのが頷ける
きっちり感のある端正な柄になります。
彫られた板は糸を巻きつけて重ねられ
万力で締め上げると大きなブロックのようになります。
これにもうもうと湯気の上がる染料を注ぐのですが
1時間ほど染料をかけ続けます。
「ぶっかけ」と呼ばれるこの工程、
染め担当のおじいちゃんは「ぶっかけなんてしないで
丁寧に大切に染めるんですよ」とおっしゃいます。
でもお風呂場みたいなタイル貼りの染め場で
均等に染めるためにブロック状の板の束を
転がしながら染める様は「ぶっかけ」と呼ぶに
ふさわしいダイナミックな光景でした。
染められた糸は板を外すと
溝の部分に染料がしみこみ、
溝の無いところは板で絞められて染まらない絣糸が出来上がります。
この後 経糸と緯糸として機にかけられ
お召なので 強撚糸を交互に織り込みながら
なおかつ柄合わせをしつつ織り上げられます。
細かい作業なので 1日に織り進めるのは20~30センチだそうです。
広めに織られてお湯で揉んで縮ませることで
シボの立ったサラリとした風合いが生まれます。
今回 じざいやにやってきた白鷹お召は七宝繋の絣柄。
定番ではありますが 亀甲と十字絣の組合せが可愛いです。
地色は薄いグレーです。
擦り友禅の橘の帯を合わせました。
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