腰と脇を痛めて 帯を背負うがちょっときつかったのですが
着てしまえば コルセット替わりの帯がイイ感じに
腰を支えてくれるし
洋服と違って ほぼ屈まずに着られるし
腰回りは暖かいしで 着物ってありがたいなーと実感した日でした。
着物や帯は フォーマルもカジュアルも
大人も子供も 形はほぼみんな一緒です。
同じ形を 素材や色、柄で使い分けてるのですから
慣れないと どれがなんだか・・ですね。
その上 染や織の技法も沢山あって
どこがどう違うのやら? というものもあります。
よく聞かれるのが 紅型と型絵染の違いです。
実際見てみましょう。
黒地に赤い総絣の本塩沢(袷・仕立上がり)に
添田敏子さんの「寒椿」
さて。どれが 型絵染で どれが紅型?
着物好きな方には 作家の名前で分かってしまったかもしれませんね。
こちらの2つが型絵染。
こちらは紅型です。
では 型絵染と紅型染、どこがどう違うのでしょうか?
渋紙に模様を彫って型紙とし、
それを布に乗せて 糊で防染したり直接色を擦り込んだりして染める。
その工程は ほとんど同じです。
歴史的に見ますと
紅型の起源にはさまざまな説がありますが、
中国の影響を受けた型染めが、既に15世紀の沖縄には存在していました。
インドやジャワの更紗の技法、さらに16~17世紀にかけては
京友禅の技法も伝わり、色彩豊かな琉球の衣が確立していきました。
対して、型絵染め、という言葉は 1956年に芹沢銈介が
人間国宝に認定された時に 初めて使われた名称です。
型紙を使い模様を染める、というのは
江戸小紋、伊勢方、長板中型など 江戸の頃からありますが
図案、彫、染めが分業であったのを
芹沢氏が 独特の感性で一人で仕上げた功績によって、です。
遠く 琉球王朝から続く 紅型の歴史とは比べるべくもありません。
技術的に言えば
紅型はシーグと呼ばれる凹状の小刀を用いて
突き彫り、という技法で点と点を繋いで線を作るように
模様を彫っていきます。
これにより色の境が柔らかなラインになります。
また、染めには 顔料を使います。
元々が王族、士族の衣装であった紅型は
堅牢度よりも 色彩の鮮やかさ、力強さを求められたのです。
顔料の粒子は粗く、布の繊維の中まで入り込めずに
表面に付着するので はっきりとした原色に近い発色になります。
また 染める時に「隈(くま)」と呼ばれるぼかしを入れます。
これに対して染料を多用する型絵染めは
染料が布に馴染み 柔らかで深みのある色が多く
型を彫るにも様々な技法、様々な彫刻刀を使えます。
また 型紙に彫った柄を連続的に染めることが多い
紅型に対して 型絵染では
柄の1つ1つを別の型で彫り上げ
配置を変えたデザインを作ることもしやすいです。
かつては 紅型は琉球王朝で柄を管理され
染めることが出来る家も決まっていました。
柄は沖縄の風物が描かれた様式美があったのですが
現在は とても自由に様々なモチーフが
染められるようになりました。
型絵染めは
芹沢銈介の独自性を表すために作られた名称が示すように
自由で奔放な、大らかさに魅力があります。
図柄の題材も 芹沢の代表作にあるような
いろはの文字であったり 生活の中の道具や風景、
様々なモチーフが 様式にこだわることなく
自由なのびやかさと 力強さを感じます。
どちらも とても魅力的な染め物です。
特に帯は どちらでも1つあると
コーディネートの楽しみが増えます。
着物好きなら持っていたいアイテムです。
仕立上がりでお得になっています。
如何でしょう?
じざいやで人気の型絵染作家 菜之花さんの
型絵染半衿ワークショップが2/19開催決定です。
今回は いつもの彫った紙の型の他、糊置きにも挑戦できます。
今 型を作って貰っていますので
詳細は しばしお待ちを・・・
ただ 2/19,空けておいてくださいね。