越後上布と小千谷縮のお話。夏物お値下げしました!

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空の色が秋っぽくなってきました。
朝晩、27度は相変わらずですが 風が涼しくなって
いくぶん過ごしやすくなってきました。
もう 明後日は9月ですものね。
秋になって欲しい・・・

昨日は病院付添いだったのですが 待ち時間長くて疲れて
検査するたびに 新しい病気が発見されて
また違う検査の予約をして 別の病院に紹介されて。。
1つずつ潰していくしかないですけど。

上布、ってよく聞くし お高い夏の着物、というイメージです。
夏も終わりのこの時期に 今更上布のお話です。
年々 生産数が激減しているので 来年の分、としてのご紹介も兼ねて、です。
絹上布、とか白鷹上布、とか 絹織物に上布の名前を付けているものもありますが
絹は上布ではありません。
それでは上布、とはなんなのでしょう?

上布とは読んで字のごとく「献上」の上であり「上質」の上なのです。
今でこそ 上布はお洒落着として 絽や紗など柔らかものの下の扱いになっていますが
かつては お姫様の衣装としても着られていました。
宮中でも御殿でも夏は帷子。麻の着物を着用が正式だったのです。

その昔。 上布の下に中布、下布があり、経糸の本数や糸の原料で区別されていました。
中布、下布はイラクサや葛、藤などで織られた庶民というか農民の布だったのです。

上布は本来 麻織物ではなく、苧麻織物を指します。
苧麻と麻は 糸になると似ていますが、
植物として 麻が桑科の1年草なのに対し  苧麻はイラクサ科の多年草です。
苧麻は績む、という大変な労力を必要とする技術の末に糸になります。
1反分の糸を作るのに数ヶ月かかるのです。
それだけの労力の上で織り上げられた布ですから
昔から 高貴な人のみが着ることが出来る高価な高級品でした。

夏着物の中には 苧麻、麻、ラミーが混在していて 混乱の元になっているようですが
洋服でラミーと言えば 苧麻のことを指します。
ところが 和装業界では 麻の紡績糸のことをラミーと呼んでいます。
手績みの苧麻は つくる工程の困難さと  作る人の高齢化で 極僅かしか生産されていません。
その変りに登場したのが  明治末期頃に輸入され始めた紡績麻糸です。
これが 何故か和装業界では 手績みの苧麻に対してラミーと呼ばれていて
伝統工芸品の小千谷縮  (じざいやで6万台で売られている機械織りの小千谷縮。
手績みの苧麻をいざり機で織ったものは重要無形文化財の小千谷縮)や
綿麻、みやこ麻織りなどに使われています。
手績みの苧麻の良さは  面倒な工程によってケバや節が少ない糸であること。
ラミーは一度砕いた麻の繊維を固めて糸にしたもので
いわば 肉を寄せ集めて成形したサイコロステーキみたいなもの?
対する 手績みの苧麻は国産黒毛和牛のヒレみたいで
長年使ってもケバ立ちやスレが出にくいのです(出ますけど)

もちろんラミーにはラミーの良さがあって
普段にどんどん着て 自宅でガシガシ洗うのに  惜しげが無く
夏の普段着物として最適です。

上布は 夏の大事なお洒落着物。
もちろん自宅で手洗いも出来ますが
質の良い帯で涼しい顔で着れば女っぷりも上がります。

上布と呼ばれるのは
南から 宮古上布、八重山上布  北陸の 能登上布 そして 越後上布です。
現在 どれも生産数が年間数十反程度の絶滅危惧種になってしまい
今はそれぞれが苧麻100%だけではなく ラミー糸を使ったものも織られています。
きちんとラベル分けされていますので 理解してお求めください。
近いうちに 各上布の中での ラベルの見分け方をアップしましょうね。

今回 じざいやでご紹介するのは
上布では 越後上布ですが 重要無形文化財ではない 越後上布。
重要無形文化財の越後上布は 経緯とも手績み苧麻糸で
地機で織り、絣は手括り、縮の場合は湯もみ、足踏みでのシボ取りが条件になります。
そうそう、小千谷縮と 重要無形文化時の小千谷縮ですが
重要無形文化財の小千谷縮は年間生産量が2,3反という
超レア、稀少絶滅種(危惧されるどころか ほぼ絶滅)でして
もちろん 経緯手績みの苧麻ですが 緯糸には強い撚りをかけ、
織り上がってから湯もみすることでシボをだしているものです。
それに対して 一般に小千谷縮、と呼ばれているのは
経緯ラミー糸で高機で織られています。
ことらの小千谷縮には 糸の差よりも絣の作り方で
値段の差が付けられます。
絣の最終進化系とも言われる 越後上布の絣は小羽定規と呼ばれる
特殊な定規が使われ、印のとこをを手で括って絣糸を作ります。
これが小羽定規。
薄い板(今では段ボール紙が主流)を並べて板の側面に柄を描き、
板を一枚ずつ ばらして糸に当てて柄を写し取ります。

ラミーの小千谷縮では この手間をかけると値段が爆上がるので
捺染やマンガン染という特殊な方法で絣糸を作ります。

捺染絣の小千谷縮。
捺染とはいえ 柄合わせが必要ですし 高度な技術を持った織手さんしか織れません。
この小千谷縮、すっごく可愛いです。
このタイプは 生産数が少ないので なかなかお目にかかれなくなりました。
縞、格子、無地じゃない ちょっと良い小千谷縮をお探しの貴方~~
お勧めです。相当可愛い。
生成り地総絣小千谷縮。
夏の終わりですから 15%OFFにしました。

ちょっと柄の違う 黒バージョンもあります
これはこれで 素敵。こちらもお値引き中。
色つきの麻襦袢を着れば 6月9月にも。
今年は このまま9月も麻着ます。
毎年 重陽の節句辺りまで、と言ってましたけど
今年は 日中25度になるまで 麻着ちゃおうと。

マンガン絣、というのはこちら。

拡大すると・・・

括って作られた絣糸ではなく 特殊な染料と機械を使って作られます。
大正時代に開発されたそうですから 鬼滅の刃の冨岡さんも着ていたかも。。
書生さんぽいのも良いですよねー
白地の蚊絣小千谷縮    黒地の蚊絣小千谷縮
夏の終わりで20%OFFにしています。
来年の夏も絶対暑い、そして長い。
小千谷縮は値上がりしてる。
ということで今から来年の夏の用意をどうぞ。

そして今回の越後上布。
重要無形文化財ではなく 経緯ラミー糸の高機です。
絣は手括りの100亀甲ですが 広幅なので120亀甲あります。
ラミー糸でも100番手なので しなやかです。

 

重要無形文化財指定の越後上布の条件は
すべて苧麻(ちょま)を手積みした本製糸を使用する事
絣模様をつける場合は手括りによる事
居座機で織る事
皺(シボ)取りをする場合は湯揉み、足踏による事
さらしは雪晒しによる事

対して

古代越後上布・・・経糸にラミー糸、緯糸は手績みの苧麻。高機で織る

越後上布・・・経緯糸ともにラミー糸を高機で織る

という違いがあります。
重要無形文化財の越後上布は ここ数年で仕入れ値も倍以上になり
販売価格だと300万以上になります。
その素晴らしさは重々承知ではありますが 着るものとしてはどうなの?と
思えてるので ご依頼があればルートはありますが
在庫として仕入れはしていません。
夏きものとして もう少し気楽に惜しげなく着てもらえる価格として
古代越後上布、越後上布も視野に入れ頂ければ、と思います。

今年の着用は無理ですが
来年の愉しみに。
夏もの、お値下げしましたので この機会に
ワンランク上の、心躍る夏着物は如何ですか?

 

 

 

 

 

 

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