絹糸の作り方(紡ぐ、座繰る、ずり出す)登喜蔵さんを偲んで・・・。

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丹後から登喜蔵さんの訃報が届きました。
体調を崩されてる、とは伺ってましたが 突然のことに驚きと悲しみでいっぱいです。
今年は若手(この業界、60代だと若手・・・)の作り手さんの訃報が二人目で
本当に残念です。
3年ほど前に 人間国宝が相次いで亡くなる年がありましたが
新しい作品を拝見することが出来なくなったのは寂しいばかりです。

登喜蔵さんの作品は
ずりだし、という繭を染めてから糸を指先でつまみ出す古い技法と
丁寧な草木染が特徴でした。
登喜蔵さんの作品を 店で販売したのは じざいやが最初です。
天橋立の近くの工房へ押しかけて 口説き落としたのも懐かしいです。
グリちゃん、というアビシニアン(猫)もいました。
2017年の1月だったと思います。その時染め上がっていた糸たち。

機に掛かっていたこれから織る糸。

繭から糸を取る方法はいくつかありますが
人間が手で糸にするのは 大きく3つに分けられます。

登喜蔵さんは ずり出し、という古い技法で
今では その方法で糸を引く人はほとんどいません。
それは 先に繭のまま草木染にして 染めた繭から糸を摘まみだす方法です。

地元の植物から染めていて
使われるのは 紅梅、藤の若葉、桜プラス蘇芳、楊梅、藤袴、椿プラス蘇芳、鬱金。
ピンクは山桜、グレーが椿の花。

例えば 椿の花。ご夫婦で山に拾いに行って45リットルの袋に2杯が1年の量だそうですが
納得いく濃さにするのに5回染めるので毎年一回、5年掛かったそうで

繭は染めた後、一度は乾燥させ ずり出す前に水に浸けます



繭を摘まんで そのまま糸を引っ張り出していきます。
手の感覚だけで細くも太くも引きずり出します。
結城は出来るだけ細く均一に紡ぎ出すのが大切ですが
登喜蔵さんは あえて強弱をつけた節のある糸を布の味わいにしています。

 

こちらが 結城紬でお馴染みの「手紡ぎ」
繭を解して綿にして そこから糸を引き出します。
煮た繭を引きのばして7枚ほど重ね、つくし、と呼ばれる棒に巻き付けて、
そこから糸を引き出します。

結城の場合は 細くまっすぐに、撚りをかけずに引き出します。


膝の前にある筒状の入れ物が おぼけ。これ一杯に7つ分で1枚の着物の糸の量です。

 

繭を真綿に解さずに糸口を見つけて1本の糸として引き出すのが座繰り。
牛首紬などにも使われている方法です。
ここでは芝崎さん独自の70個一気引き。
茹でた繭を刷毛で撫でると 刷毛に誘導されて糸が引き出されます。

力技の一気引き。

 

普通は7個ほどの繭から一緒に糸を引き出してその糸を4本寄り合わせますが
芝崎さんの方法は70個ほどから一気に1本の糸を引き出します。
とても力のいる方法です。

引き出された糸は真綿ではないので 毛羽がなく艶やかに光っています。

現在 この紡ぐ、と 座ぐる、が紬糸の主流です。
糸によって織り上がりの風合い、表情も変わってくるのが面白く
作りてが 自分の作品に合った方法での糸作りをされています。

 

それにしても 本当に惜しいです。
登喜蔵さんの作品をお召になった画像を 登喜蔵さんの霊前にお供えして
こんなに楽しく着ていますよ、と報告したいです。
登喜蔵さんの着物or帯をお召の画像を送ってください。
まとめて 登喜蔵さんの奥様にお送りしたいと思います。

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