雨の日のきもの。選び方とアフターケア。

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梅雨ですねー 雨降りです。
今年は梅雨明けが早いということですが(予報では横浜7/15梅雨明け)
それでも 週間予報は傘マークだらけ。

元町厳島神社に夏の祓いの茅野輪が立ちました。
6/30の日曜に潜りにいらっしゃいませんか?
半年分の厄落としです。

雨の日には 着物を着るのを敬遠しがちですよね。
雨の日は着物を着ない!とおっしゃる方もいらっしゃいます。
この頃の雨は ちょっと当たっても
すぐにシミになってしまうし
歩いていても泥跳ねが心配だし。
雨の日はきもので出かけない、というのも
1つの選択ではありますがそれでは ちょっと寂しいです。
雨の日でも着物を楽しむ方法を考えてみました。

雨に強いのは、ポリエステルはもちろんなのですが
じざいやとしては、それは置いといて。

まず、シボのある着物は基本的に水に弱い=雨に弱い、です。
縮緬やお召しは避けましょう。
雨に当たると 当たった部分が見事に縮みます。
近頃のお召や縮緬は 織元で防縮加工をしているのが多いですが
アンティークや 頂きもののお召、縮緬は、縮む危険が高いので 雨に日は避けた方が安全です。
縮緬やお召しで雨の日に出かける可能性があるならば
ガード加工してしまうのも方法です。
ガードしてしまえば多少の雨なら怖くありません。

濡れても あとのケアが自宅でしやすいのは
木綿か 絹なら大島紬などの生糸を使ったものです。
木綿は藍染のものは濡れると色落ちしやすくなりますので
帯などは色落ちしても気にならないものが良いですね。
単衣の木綿なら雨で濡れても自宅で洗えるので気が楽です。
絹ものは ツルり、とした風合いのものが縒りのない平織で
濡れても縮みにくく、雨の浸透が少ないです。
繭のセリシンをあまり落とさない生紬の糸も雨をはじきます。
元々繭は雨に強いのです。そうでないと中の蛹がおぼれてしまいますからね。

そして何より水に強い繊維は麻です。
まさに今、梅雨の味方です。
麻は乾燥している時より濡れている方が繊維としての強度も強くなり
まさに雨の日のためのきもの。
熱の伝導率も高く熱を放射して 乾燥も早いので
蒸し暑い梅雨から日本の夏にうってつけです。

シナ布などの植物繊維は湿気を好み、また水分を与えることで柔らかく扱いやすくなります。
なので湿度の高い雨の日には濡れても安心、締め心地もよし。
雨が降ったら迷わず植物繊維のものを着ましょう。
この季節、芭蕉布や上布類、シナ布に葛布、藤布など植物繊維が豊富です。
そして 意外にも紙布は水に強いです。
和紙の繊維は植物ですからね・・・
出雲絣の青戸さんも ご自作の紙布の八寸帯を何度も洗った、とおっしゃってました。
奈良の二月堂のお水取りの修行僧が着ているのは 紙の着物ですが
あれは紙布のように和紙を縒って糸にして織るのではなく
厚手の和紙を揉んで柔らかくしてそのまま縫い上げているもので
洗えない、とのことです。

対して、絹は水に弱い、と言われます。
繭の状態では水を弾きますが(水を吸ったら中の蛹が溺れてしまう)
糸にする段階で表面のセシリン(繭のたんぱく質)をある程度除くことで
艶や風合いを得る換わりに水を弾きにくくなってしまうのです。
反物は着物として仕立てあがる以前に
友禅でも染めるにしても
紬で先染めにするにしても 何度も水やお湯を潜るのです。
ですから 着物自体が水に弱いのではなく
水に濡れた状態の絹糸が外部の力に対して弱くなっているのです。
濡れた状態で無理な力を加えると
(ゴシゴシ拭いたり 引っ張ったり)生地が傷んで毛羽だってしまいます。
濡らしてしまったら 慌てず騒がず こすらずに
なるべく早く脱いで 広げて乾かすようにしましょう。

雨の日には雨コート。
市販の二部式や化繊のものをお持ちの方も多いと思います。
アップルコートなどですが あまり可愛くもお洒落でもなく、実用本位。
そこでお薦めしたいのは
機械織りの大島や黄八丈(もどき)など
シワになり難い シャッキリ系の紬を防水加工してしまって
雨コート兼単衣コートに仕立てること。
4月~10月なら夏大島や小千谷縮で作っても素敵です。
衿は道行衿よりも 道中着衿の方が濡れる面積が少ないです。
雨コートにも塵除けにも
単衣のコートとして簡単な防寒にもなるのでとても重宝です。

雨の日は足元も悩みのタネ。 まずは足袋カバーで足袋の汚れを防ぎましょう。
普段着なら雨下駄で良いですが、小紋以上なら雨草履の用意を。
小雨ならカレンブロッソでも大丈夫です。
洋服よりお太鼓部分が出っぱっているので、傘はできるだけ直系の大きなものを。

雨の外出から戻ったら
玄関先でまず、着たままの雨コートをタオルでぬぐってから脱ぎましょう。
せっかく雨コートでガードした下の着物をコートの水滴で濡らしては元も子もありません。
雨で濡れなくても着物はいつもより湿気を含んでいますので
体温で暖かい内に衣桁に掛けて、手で撫でつけ、シワを伸ばしておきましょう。
雨下駄の爪皮も外してタオルで拭いてあげてください。
濡れた下駄に爪皮を付けたままにしておくと、ゴムの部分が傷みますので別々に乾かしてください。

雨の日も ちょっとした気遣いで着物が喜んでくれます。
雨だから着物を断念するのではなく
雨でも、雨だから、着物を楽しむ方法を考えましょう。

 

絹麻の襦袢を薄物の下に着た時の色写りについてご質問があったので。

薄い色はほとんど影響しません。ピンクがうっすら判る程度。
左から 水色、銀ねず、ピンク、薄桜、オフホワイト

濃いめのお色だと 透け感を抑えるのに使えますね
紫、緑、青。

ベージュ、辛子、紫

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