マンガン染の小千谷縮

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夏物を仕入れに行って マンガン染がもうできなくなる、とのことだったので・・・
小千谷縮のマンガン染についてのお話です。
マンガン絣、というと 染めの絣、というイメージで
簡易に思われがちですが 現在は新潟で1軒しかない工場で染められている
希少な絣です。
(もう1軒、広幅のアパレル用を染めている工房もあるようです)


これは去年仕入れたマンガン染の小千谷縮。マンガン染ファン?の方へ嫁入りしました。

元々は手間の掛かる手括りの経緯絣の手間とコストを抑えるために
大正時代に新潟の見附市で開発された技法です。
マンガンとは鉱物で その溶液で糸を染め、酸化で発色させて
普通の染料で染めた糸と一緒に布に織り、
織りあげてから中和剤で洗浄すると マンガンで染めた糸だけ白い糸に戻って柄が浮き出る、というのが原理です。
簡単に聞こえますが マンガン溶液や中和剤は
酸化の程度を見極めるために
気温や湿度、糸の状態などで微調整が必要な職人技です。

染めるための柄は 銅板に彫られてロール状になっています。

糸染から織上がって絣柄が出来るまで2か月ほど掛かるそうなので
今となっては 手間やコストを下げる意味ではないですね。
プリントならばあっという間ですから。


今年のマンガン染第一弾、すぐに嫁入りしました。

4月に入荷予定のマンガン絣の小千谷縮。雪輪の中にいろんな絣が入ってます。
今年のマンガン小千谷縮は これで最後。
来年は出来るのかどうか・・・・

マンガン染の小千谷縮が来年は出来なくなりそう、という話です。
技術的にはまだ染めることは出来るのですが
マンガン染に適した小千谷縮の生地を織ることが出来なくなる・・・
糸が、ないのだそうです。
小千谷縮は コロナ後、壊滅・・・とまでは行きませんが
生産数が激減しています。
コロナ下で 売上が伸びず、織元では生産を抑えるために
織手さんを解雇せざるを得ませんでした。
コロナ後、また着物が着たい、という人が戻ってきましたが
織手さんは 他のパートや仕事に就いてしまい
織元に戻ってはきませんでした。
その上 糸の値上げと糸自体の生産中止。
泣きっ面に蜂?弱り目に祟り目?
一度失われたものは 簡単には戻りません。

手括りの絣の小千谷縮(ラミー糸)が無いわけではありませんが
それは とても高価です。
夏の太陽の下 ガンガン着て じゃんじゃん洗うには
多少抵抗のあるお値段になります。
誰にでも簡単に手の出せる夏のお気楽着物、ではないのです。

縞、格子、無地以外の小千谷縮の選択肢から
マンガン染が消えるのは とても残念でとても悲しいです。
後染の方染や捺染もありますが
マンガン特有の一見絣に見えて 手括りよりずっと安価なのは
お洒落の幅を広げてくれていました。

こうやっていろんなものが消えていきます・・・・
私は占いで97歳まで現役の呉服屋をするそうなのですが
その頃には もう売るもの無くなってるかも。
プリントと化繊ばかりのきもの業界には
そんな長居したいとは思えないのです。

ひとの手が作るものを 繋いでいきたい。
いつまで叶うのでしょう。。。

本日も、読んでいただき、ありがとうございました。

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