逸品

黄金の繭から作られた黄金の白生地。

今日は立川先生の着付け教室でした。
生徒さんはお二人、二枠でのレッスンになりました。
月曜の生徒さん、募集中です~ お問合せください。

今日のお品物の紹介は 黄金の繭から織られた反物です。
ムガシルクやタッサーシルクも「黄金の繭」と呼ばれることがありますが
こちらは「黄金の繭」で登録商標された 群馬産の繭です。
繭も糸も黄色いので ジャンルとしては白生地です。
繭が黄金色!なので 黄金色の生地に織り上がっています。

見事な菜種色。菜の花みたいです。もしくは卵の黄身とか?
紅花の最初に出る黄色や 槐(えんじゅ・かいか)の黄色に近い
綺麗でクリアな黄色です。
一見 後染のように見えますが 繭が黄色い、ということは糸が黄色いので
経緯糸黄金の繭糸を使うとこのような見事な白生地?になるのです。


経糸には生糸。
緯糸には節のある紬糸も織り込んでありますのでのっぺりせず、表情があります。

ここで 繭についてのおさらいを。
普通、着物に使われる繭は白いです。白く改良されていますから。
野生では保護色となるように色の付いたものが当たり前です。
それらはカイコ(家で飼うから飼蚕(かいこ)に対して
ヤマコ(山蚕)とも呼ばれます。
有名なのが長野の薄緑の繭、天蚕ですね。
本来は養蚕される家蚕と違い、野生のものですが
長野県穂高の町で僅かながらに飼育されています。

飼育と言っても 家蚕のように室内に居るのではなく
餌となるクヌギやナラ、カシワなどの樹木ごとネットで囲って
(1本1本の木にネットをかけるのではなく
大きなビニールハウスをネットで作ってその中に木を植えている)
飼育しています。
1本の木で10匹ほどの幼虫を育てます。
野生なのだから勝手に葉っぱを食べて一人で繭になって
手間いらず・・・ではありません。
ネットを張るのは天敵の鳥や蜂から守るためですが
猿はネットの隙間から侵入、木を荒らします。
天蚕の幼虫は家蚕の幼虫の3,4倍の大きさに成長しますので
食欲も並みではありません。
1本の木の葉っぱを食べつくすと別の木へ移動して食べ続けます。
ところがこの移動の際に地面を這っていると
蟻にやられたり 日差しが強いと衰弱して
次の木に移る前に死んでしまう幼虫もいます。
ですから人間が手で移してやらなくてはなりません。
自然淘汰されていては飼育の意味がありませんから。
卵から孵化して繭を作るまでは目を放せないのです。
行動範囲が広い分、家蚕より手が掛かります。

家蚕は春秋の2回繭を作りますが(種類によって違いますが)
天蚕は7月半ば、年に一度だけ繭を作ります。
1軒の天蚕農家で出荷できる繭の数は現在2000個ほどです。
これは着物一反分にしかならない量なのです。
現在天蚕農家は6軒だそうですから
どれほど貴重かが知れると思います。
しかし 織り上がった反物は高価ですが
天蚕農家から出荷される繭の価格は労力に見合う金額ではありません。
家蚕の繭は重量で取引されますが 天蚕は粒単位で取引されます。
それでも一年で1反分の収入では後継者が出来ないのは
仕方ないことかもしれません。

幼虫は大きな天蚕ですが繭の大きさはあまり変わりなく
1つの繭から取れる糸は家蚕の900~1500メートルに対し
700メートルほどです。
家蚕よりセシリンに含まれる石灰やタンニンなどの不純物が多く
精練してもあまり目減りはしませんが
染まり難い性質を持っています。
風合いはとても柔らかく、光沢がありシワになり難い復元力があります。

貴重な糸ですから経糸緯糸100%天蚕、というものは
とても少なく 緯糸だけ、とか
家蚕の生糸の周りに天蚕糸を巻きつけたものを使用して
織られたものが多く見受けられます。

緑の天蚕以外にも
褐色の濃淡の与那国蚕(与那国島、インドネシア)
淡褐色の柞蚕(さくさん・中国、日本、インド)や
黄褐色のムガ蚕(インド)、
黄金の糸と呼ばれるクリキュラ(インドネシア)
などの野生の蚕から糸が取られています。

それぞれの蚕によって繭が違うように 糸質も違うので
その糸質にあった染め、織りを熟知していないと蚕は扱えないのです。

さて、この黄金の着物。
黄金の繭(登録商標になっています)から織られていますが
黄金の繭、と呼ばれるインドネシアのクリキュアではなく
群馬で改良された 正真正銘の国産の糸です。
ぐんま黄金、という平成13年に発表された比較的新しい糸です。
ぐんま黄金の黄金色は、セリシンに含まれるカロチノイドの色素で
桑の葉を食べた蚕が作り出した天然の色素です。
ぐんま黄金は、より高い抗酸化効果が期待されて化粧品にも使われています。

またこの蚕は飼育時期の温度が高い方が濃い黄金色になり、
春蚕は薄い黄金色に、秋に飼育される秋蚕は濃い黄金色の繭になります。
秋の繭だけを集めて織られたのが この美しい布です。

黄金の繭に 仕立上がりの伊藤峰子さんロートン織の帯を乗せてみました。
今日のレッスンの生徒さん。
お稽古3回目。絽の小紋に紗の名古屋帯のY様。
ふわふわと軽い薄物を上手に着こなせてらっしゃいました。
お洒落なコーディネイトのY様。
体型をカバーするための着付けを研究中。
でも 犬話で盛り上がってしまいました。

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笠原博司さんの紫根染吉野格子着物。

暑くなりましたね~
麻襦袢に単衣の白大島、暑いです・・・
6月前に夏もの出してしまいそう。
還暦過ぎたら もう好き勝手してもいいかなぁ
(いや、まだ還暦前ですけどっ1年ありますけどっ)

明後日の22日、日曜日。
三渓園の夏じたく展に行きます。
芭蕉布工房で一緒に学んだ染織家さんたちが集まっての
「やんばる同窓会お話会」に参加させて頂きます。
ので、開店がちょっと遅くなるかもしれませんので
念のため 13時からの営業とさせていただきます。
当日、三渓園に行かれる方、さくらこを見かけましたら
お気軽にお声かけ下さい~~
たぶん・・夏物着てます。
ショートヘアのドスこい系おばちゃんです。

日曜までの限定で
笠原博司さんの 紫根染吉野格子の着物が来ています。
国画会の出品作です。
紫根は 笠原さんの工房のある宮城県加美町で採取された
国産のフレッシュなもの。
この頃の紫根は 漢方薬の乾燥したものがほとんどです。
かつては 福島県の川俣が紫根の産地として名高く
川俣紫根、として栽培されていました。
紫根染の染色技法は、染色のなかでも特殊で、大変な手間と労力がかかりため
高額であり、貴族の独占物とし、技法は秘伝となされたため普及せず、
明治になって化学染料の安価で手軽な技法の普及に伴い
いち早く姿を消した幻の染色技法でした。笠原さんの工房のある加美町には
「薬莱山」がそびえており、山容が富士山に似ていることから加美富士と呼ばれています。
その薬莱山や周辺の山などで薬用植物が自生する環境があり、
昔から医薬の守護、病難退散、寿福招幸の山として信仰されてきました。
その環境を生かし、薬用植物の産地化により農家所得向上につなげる目的で
薬用植物研究会が設立され、薬草栽培の研究調査を行っています。
そこで栽培された「紫」の根を使って染められた作品「胡蝶」です。

紫根の他、茜や桜、ヤマモモを使って染めた糸を
細かい吉野格子に織り上げて段模様の訪問着に仕上げてあります。


8枚綜絖・・・とおっしゃってたかな。
ともかく みるからに手間暇のかかった逸品です。

糸は沢山使われているのに とっても軽いんですよ!

先日 国展を観に国立新美術館まで行ったら休館日だったという・・・
この作品は 今年の出品ではないですが
観ることができてうれしいです。

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伊藤峰子さんの花倉織、ロートン織。着付けレッスンと着物でお出かけ

伊藤峰子さんの花倉織のお着物とロートン織の帯のご紹介です。
どちらも とても繊細で美しい織ものです。
そして 伊藤さんの色のセンスは
沖縄の中でも都会的です。ご出身が沖縄ではないので(大阪から東京へ)
本土で織られた着物や帯との親和性が高いのが嬉しいですね。
透明感のある色はご自宅の工房で染められます。
首里城を見下ろす伊藤さんの アトリエito には、猫が数匹いるんですよ。

今日ご紹介するのは 仕立上がりの伊藤峰子さんの着物と帯になります。
未着用品で すぐにお召頂けます。

こちらが花倉織のお着物。
薄い藤色に黄色とグリーンのライン。
その中に市松状態に花織と絽織が交互に織り出されるのが
花倉織の特徴です。
居敷当てを付けた単衣仕立です。今からがお召し時ですね。

花倉織。沖縄読みで「はなくらうい」と呼びます。

沖縄の染織の多くは 戦争で途絶えてしまい
戦後 多くの努力のに復元されました。

琉球王朝時代には 花倉織は
王族と上級士族が仕する時にのみ、とが許される
特別な織物でした。
琉球王朝時代の花倉織の裂は
日本民藝館に1点と ベルリン民族博物館に3点残るだけです。
全て藍地のものだそうです。

花倉織は 花織部分の浮織りと 絽の部分のもじり織りの
2つの異なる技法を1つの布の上に織り上げます。
それは 組織としても 技術としても
とても複雑で高度なものです。

 

その困難ゆえに 王族にのみ許された布としての
洗練された美しさを持つ花倉織。
現在は藍のみならず 沖縄の自然界の色を写し取ることで
さらに 美しく格調高い織物になりました。

チャンチン染の帯を合わせて。

 


こちらはロートン織の帯。
チョコレート色の中に エメラルドグリーンのロートン織です。
ものすごくお洒落。こちらも今からが旬。
ピンクや黄色の着物はもちろん、
水色や 緑にも良く合います。

ロートン織とは 吉野織と同じ組織になります。

地の部分は平織りで
真田紐のような組織を縞や格子に織り込んだものです。
平織りに交わる、真田織りの部分が厚みのある畝状となり、
立体感を持った独特の織物です。
(同じ組織でも 茶人、日野大納言輝資が愛蔵した名物茶入
「日野肩衝」の仕覆は日野間道とも呼ばれます。
日野間道は真田織が横段で 吉野間道は縦縞です)

 

間道、とは縞のことですから
吉野間道といえば 吉野の縞、
吉野格子、といえば 吉野の格子です。
では この吉野、というのは 吉野桜、などの地名の吉野ではなく
江戸時代に名を馳せた傾城、吉野太夫の名からきています。
吉野太夫が愛用していた打掛からの命名とされています。
その話は
江戸初期、島原で盛名をはせた吉野太夫は
容姿端麗、教養、遊芸に、並びなき傾城、とたたえられて
京の富豪、灰屋紹益は、吉野と一緒に暮らすようになります。
しかし、紹益の父は、吉野が、あまりに有名なので、
世の聞こえを憚り、息子を勘当してしいます。
ところが、ある日、この父親が、外出先で俄雨に合い、
とある寂れた家の軒先に佇んでいると、
美しい女性が、「お茶でもどうぞ」と誘います。
そこで、言われるままに上がってみると、侘び住まいながら、
きちんとしており、心のこもったもてなし振りに大いに感心しました。
そこで、「いったい彼女は、どう言う人か」と、尋ねたところ、
「彼女こそ、かっての吉野太夫だ」と判り、
息子の勘当を解き夫婦にした、というものです。

 

色や縞、格子の幅で
雰囲気がガラリと変るのも この織りの魅力の1つです。
ポップな色で市松風にしたり
同系色でシックに織り上げたり。
着物好きなら1本は欲しい織物です。

水色の無地紬に合わせて。

寸法、お値段お問合せください。

昨日は立川先生の着付けレッスンでした。
2回目とは思えない 綺麗な着姿です。

おばぁ様の藍の紬に アザミを織り出した名古屋帯のRY様。
ピシっと綺麗なラインは 立川先生の得意技。
教え方が丁寧で分かりやすので 着付け2回目でこの美しさ。

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今はもう作られていないホースヘア帯1点限り。

コロナ禍の中で ひっそりと消えていったものは数々ありますが
その中の1つにホースヘアの帯があります。

もともと数多く作られていたものではありません。
じざいや以外では ほとんど扱われていませんでした。

ホースへアのバックや草履なら見たことあるけど・・・
という方がほとんどではないでしょうか。

ホースヘアのバックや草履は、
経緯どちらも馬の尻尾の毛で織られていて、硬く、滑りやすく
帯には向きません。

帯メーカーの社長さんがたまたま奥様との旅行中、
岐阜県でみかけたのが、
馬の尻尾の糸で戦国時代の甲冑を繋ぎとめる技術をもった職人さんの作った財布でした。

面白い生地だな、これで帯が作れないかな、
と職人さんに声をかけたのが始まりでした。

経緯共に尻尾ですと、滑り過ぎて帯としては使い物にはなりません。

経糸を絹にしたり、木綿にしたり、試行錯誤の結果、
経糸が麻、緯糸に馬の尻尾、というホースヘアの帯が生まれました。

馬の体毛の色によって尻尾の色も違いますので、
基本は染めずにその色のままです。

その時々で様々な馬が使われるので、同じものは2つとありません。

その岐阜の職人さんが作年廃業となり、
じざいやの在庫を売り切ったところで
ホースヘアの帯はなくなってしまいました。

ところが・・・・この度、
仕立上がり品として1点のみ、じざいやに戻ってきました。
それも じざいやオリジナルとして
2点のみ作った 刺繍(ドローンワーク)を施した
ワンランク上のホースヘアです。

全体像はこちら。
天然素材ゆえの 色の妙が美しいです。
とても軽くて 水にも強く 麻とホースヘアなので
春から盛夏、そして秋口までお使い頂けます。野趣がありながらも エレガント。
シナ布のような 暴れん坊ではありません。
馬の尻尾がもつ艶があって、八寸ですが
洒落柄の小紋にも合わせて頂けます。
もちろん、大島や芝崎さんなど光沢感をもつ紬やお召。
小千谷縮や上布などの麻着物。
薩摩絣などの薄手の木綿にも。
貴女の着物ライフを楽しませてくれます。

時期的には 今からが旬。
仕立上がりの一点もの。
気になる方はお問合せください。

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仕立上がり黄八丈に帯4つコーデ。

朝の雨が上がって蒸し暑い日になりました。
麻襦袢に単衣の白大島がちょうど良い感じ。
大島のヒヤっとした肌触りが気持ち良かったです。

逸品の仕立上がりが沢山あって
組合わせ放題なので 嬉しくてつい遊んでしまいます。

山下芙美子さんの黄八丈。
美しくて いろんな帯を受け止めてくれるので
楽しいです。

一番やりたかったのがこのコーデ。
季節が違うので出すのを迷ったのですが・・・
やっぱり これ、カッコいいですよね。
黄八丈に墨黒地の梅の帯。

似たパターンですけど 橘に使われている臙脂が
ぐっと優しさをアップしてくれています。
橘の丸い形も柔らかさを醸してくれます。
城間栄喜さんの藍型。
しっとりと大人の風情が。。。

ちょっと昭和のかほり。
これはこれで落ち着く組合せです。結構好き。
明日まで帯は1割引きです。
どうぞ じざいやでコーディネート遊びしにいらして下さい。

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仕立上がり黒八丈に帯2つ。

うーん 眠いです~~
今日は早く寝る(と、夕べも思ってたのに)

人気の黒八丈の仕立上がりが届きました。
山下さんではない組合ものですが
染めは 名人西條吉広さんです。
黒といっても 椎の木なので 真っ黒ではなくチャコールの縞です。
冷たい色ではなく温かみのあるほんのり赤味を感じさせるチャコールです。

表が粋なので 八掛にはワインレッドで足元から女度を上げます。

カッコよく着たい時には お獅子の帯を。
優しい気持ちで 鳥さんのいるチャンチン帯に。
寸法は
身丈 背から4尺2寸
裄 1尺7寸2
前幅 6寸2
後幅 7寸5
袷仕立てになっています。

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連休はじざいやで着物あそび!仕立上がりを着て帰るのもあり!?

連休前には お天気が怪しい感じでしたが
この後は雨にはならずに済みそうな元町です。
じざいやには今、素敵な仕立上がりが沢山届いています。
ほとんど 未着用のしつけ付き。
気に入ったのがあれば そのままお召になって帰ることも可能です^^
着付けいたしますよ~
帯なら寸法も気にしなくていいですし。

着物でご来店いただくと ちょこっとサービスもございます。
連休に着物談義しながら じざいやでお茶しませんか?

こんなものあります。

本場結城紬の総絣。おちろん「結」マークの証紙付きです。
糸が良いので とても軽くて着やすく
色目も明るめのグレーにチャコールで全体に十字の絣。
秋から春まで 帯を替えてずっとお召頂けます。
シンプルな絣だから 沢山着倒して欲しいです。
無地でさえ80万はする 本場の地機結城紬。
総絣の逸品をお得に手に入れるチャンスです。

帯も仕立上りで 石黒祐子さんの茜染絣帯「なでしこ」です。

茜のピンクにグレーの絣が可愛いけど幼さを感じさせず
幾何学模様の絣はモダンで着姿をすっきり見せてくれます。
使い勝手の良い帯、いかがですか?

今の季節にちょうど良い樋口隆司さんの絹縮。
樋口さんは日本伝統工芸会の正会員でしたが
去年で引退されて もう織っていません。
この作品は 湯もみ金縮緬。
縮緬ですがシボが細かくしなやかでサラリとしていて軽く、
それでいて しっかり落ち感があるので 今の季節、袷でも涼しいです。

袷と単衣の狭間の時期に重宝します、
ご寸法によっては単衣に仕立て直すのも良いですね。
帯は諸紙布のすくい織を合わせました。

この着物 さり気ない縞に見えますが実は縞の幅を変えてあり
衿、衽、身頃・・・・縞の幅が違います。

近寄らないと判らない、そんな遊び心をお楽しみいただきたいです。
今が旬!の着物ですから ぜひ すぐにお召になれる方にお連れ頂きたいです。
寸法は(上の本場結城も)
身丈 背から 4尺0寸5
裄  1尺7寸3
袖丈 1尺3
袖巾   9寸
前幅   6寸5
後幅   7寸5
繰越    5

我こそはジャストサイズ‼の方の名乗りをお待ちしております。
他にも いろいろな仕立上がり品がございますので
せひ 手に取って、お顔に当てて 楽しんでってください。

西川はるえさんも出品されてる
夏じたく展の 割引付き案内状もございます。
ご来店のご希望の方にさしあげます。

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仕立上がりの結城縮に型絵染帯。結城縮のお話(明日はお休みです)

せっかくの連休なのに冷たい雨ですねー
4月に単衣を着始めて10年近くになりますが
連休に袷を着ていたのは何年振りでしょう・・・
こんな寒い連休は久しぶりです。
今朝、ストーブ点いてましたよ(旦那が寒がり)

それでも明日からは雨もあがるようで
単衣になれるかな?
明日は連休のなかの平日ですが 月曜なのでお休み頂きます。
まぁ 来てますけどね、店。
整骨院予約しちゃったので 2時半位まではおりますので
ご用の方はご連絡ください。
電話は留守電になってますが 声出してくだされば居れば出ます。

単衣に向く生地はいろいろありますが
ぜひ 単衣で着て欲しい、と思うのが結城縮です。
今回 とーーーーても素敵な結城縮が仕立上がりで登場です。

反物の時から大好きだった結城縮です。
ぜんまい紬に藍の型染の帯を乗せました。
この帯も イイ感じですよね 柄は胡蝶蘭ですね。

結城縮アップ。

結城の縮って・・?と思われる方も多いかもしれませんが
本場結城紬には 平織と縮織りの2種類があるのです。

本城紬の魅力は軽く暖かな風合と染の堅牢さ、素朴ながら緻密な絣の正確さが
全て人の手で生みだれていることです。
結城紬には著名な作家はいませんが、全ての工程が手仕事の技が終結した共同作業です。
最初に大切なのは真綿から手で糸を引き出すことで
熟練の技でも1反分に1ヶ月以上かかります。
また100亀甲絣だと絣括りだけで3ヶ月以上、
精巧な絣になると限りがありません。半年、1年掛かるものもあります。
経糸を腰で直接支える地機での織りは、結城独特の60センチもある大きな杼で
一段一段絣を合わせながら打ち込んでいく根気作業です。
これらを経て、さらに15項目の審査に合格したものだけが
本場結城紬としての証紙が貼られるのです。
本物だけが持つ確かな存在感があります。

その 本場結城紬には 糸に撚りのかかっていない「平織」と
撚りのかかった「縮」の二種類があります。
かつては縮が多く織られていましたが
昭和31年に「平織」が重要無形文化財指定を受けた後は、
すっかり生産が減ってしまいました。
ユネスコの無形文化財として指定された結城ですが
名度に反比例して生産数は激減の一途です。
かつては組合の検査も毎週行っていまして
それだけの反数が織り上がって持ち込まれていましたが
今や一カ月に一度。
一か月分を一度に検査できる程度の数しか織り上がって来ないのです。
その中で 更に希少な結城縮。
希少だから、ではなく
単衣としてもお召いただける軽やかな風合いをお楽しみ頂きたいものです。

手引きの真綿である結城の糸に撚りをかけるのは
糸が切れないように水で濡らしながらの作業です。
下撚りをかけた後、もう一度本撚りをかけ、
糸1メートルの間に1500~1800回程度の撚りをかけます。
織り上がってから、湯に通すと撚りのかかったヨコ糸が約1割ほど縮み、
結城縮独特の風合いが生まれます
縮んだあとは 平織と同じ反幅ですが
実際に織る時には 1寸ほど幅広に織っていますので
糸の量もそれだけ多く、
撚りをかける手間と相まって 平織より1割ほどお高くなってしまいます。
その価値が十分にあるのが結城縮です。

仕立上がりでお値打ち価格でお出ししています。
寸法は
身丈 背から 4尺2
裄   1尺8寸
袖巾   9寸2
前幅  6寸5
後幅  8寸0
繰越   5

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明日から連休!袷の着納め?仕立上がりお宝続々~

昨日より6度気温が低いとの予報だったので
着納め~と思って袷を着たら暑かったです。
袷の下は麻のお襦袢だったんですけどね。

いよいよ大型連休。
お天気が日替わりで降ったり止んだり、みたいですけど
着物でお出かけできると良いですね。
行くとこ無い方はぜひ、じざいやへ。
素敵に上等な 仕立て上がりが集まっています。

今日届きましたのは
遠藤あけみあさん型絵染着物、樋口隆司さん絹縮着物、
城間栄喜さん藍型帯、原田重さん紅型夏帯、
芝崎さん着物、林宗平さん帯、新田さん紅花紬、
ぜんまい紬型絵染帯、宗宏陽助ロートン織帯。。。
いやもう お宝です。

例えば
樋口さんの綿絹に原田さんの麻地紅型帯を合わせて。

夕方の画像で分かりにくいですけど
この着物、縞の幅がグラデーションになっています。
明日、明るい時間に撮り直しましょう・・・良さが全く出てないです。
ごめんなさい。

久し振りに遠藤あけみさんの作品も。

野趣のあるものがお好きな方にはたまらない?
ぜんまいたっぷりの生地に型染の帯。

未仕立時の画像ですが左側の藍のロートン、宗廣陽助さんの帯。

今日は着物美人さんも続々。

北海道からお着物で。
爽やか色の小紋に帯は結ばない帯で背中すっきり、長旅仕様。

足元も!これならいくら歩いても大丈夫そう。

菜乃花さんは白大島に遠藤あけみさんの帯「羊歯」

素晴らしい薔薇の大島紬に首里花織の帯のMH様。
2年ぶりの「夏じたく」展の案内状頂きました。

三渓園の入場券がちょっとお得になります。
10枚ありますので 行きたい方に差し上げます。
(取りに来られる方限定)

連休、休まず営業、と申し上げましたが2日の月曜、
所用にて他出しますので お休みさせて頂きます。
よろしくお願いいたします

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仕立上がりの黄八丈。黄八丈の色のお話。

単衣でも暑くて綿麻を出したくなりました。
麻のお襦袢、持って来なくちゃ・・・
旦那からは 夕飯に冷や麦をリクエストされましたよ。

まだもう一度は寒の戻りがあるのか
梅雨時期には肌寒い日もあるだろうとは思うのですが
連休前に初夏ですね・・・。
なんだか 今年は春のうつろう風情を楽しむ間もありませんでした。
連休明けて25度続いたら 夏もの出しちゃおうかな~~

週末に向けて仕立上がりの逸品が登場です。

いわずと知れた 山下芙美子さんです。
昨日 チラ見せした加藤富貴さんの「春の気配」を乗せてみました。

加藤さんの帯、実際には垂れも眼鏡織、入ってます・・・
置くとき間違えました。
この帯もいい帯です。

週末はじざいやに逸品を見にいらしてください~~

ところで。
黄八丈を見た方に
「黄八丈って黄色以外あるんですか?」とご質問を頂きましたので。
黄八丈、って言うくらいだから 黄色を思い浮かべますよね。
黄八丈の色についてお話します。
山下家の黄八丈の魅力については こちらをお読みください
黄八丈はコクのある深く、澄んだ色調と高い堅牢度を誇りますが
染には独特の技法を用いています。
色ごとに技法が違うので 色別にご紹介します。
黄色の黄八丈。黒い黒八丈、そして 赤茶の鳶八丈です。
この三原色を駆使して 濃淡や交差する織で複雑な色味を織り上げます。

1、黄八丈。

黄八丈苅安ノート

八丈刈安、とも呼ばれるコブナ草を使います。
昔はいくらでも自生していましたが 除草剤の影響などで
減少してしまいました。
10月の半ばから終わりに 穂が出る前の草を刈り取り日に干します。
大釜に一抱えの干したコブナ草を入れて
2時間ほどに出して「黄ブシ」と呼ばれる染液を作ります。
八丈島の染色は 糸を「黄ブシ」で煮詰める煮染めではなく
桶の中に糸を並べて上から柄杓で熱い黄ブシを回しかける方法です。
熱い黄ブシをたっぷり掛けて一晩漬け置き(フシ漬けと呼びます)
翌朝糸を絞って日に乾かします。
乾かす時には 何回を糸を捌いて中まで風を通します。
何度もさばくほど 風合いの良い糸になるそうです。
夕方まで干したら また桶に並べて黄ブシを掛けます。
漬け置いて 翌朝干して・・・と12,3回繰り返します。
そして最後に島の椿のアクを揉み込むと
初めて あの美しい黄色に変化するのです。

2.黒八丈

黄八丈椎泥ノート

最近の一番人気の色ですが とても難しく染ムラが出やすい染です。
現在、山下家では年に2反ほどしか染めていません。
泥で染めます。泥染は大島紬が有名ですが
八丈島でも行われています。
八丈島では下染めに椎の木の皮を使います。
椎の木の皮を煮詰めた染液でフシ漬けを14,5回行った後に
一回目の泥染をします。
八丈島の泥はタンニンが強く 糸を痛めやすいので
泥染の後は 椎の木の染液を冷ましてから掛けまわしてフシ漬けにします。
冷ました染液でのフシ漬けをさらに5,6回して
2度目の泥染で真っ黒に仕上げます。

3.鳶八丈

黄八丈まだみノート

濃い目の黄色だと思われてる方もいるようですが
赤味の強い煉瓦色のようなのが鳶色です。
鳶の羽の色です。
これにはタブノキ(マダミ)という樹を使います。
樹齢30年以上のものを選び伐採して皮を剥ぎます。
この皮も大釜で煮出して染液にし
15回ほど繰り返しフシ漬けをしてから灰汁を揉み込み
さらに4,5回 タブノキでフシ漬けをして仕上げます。

どの染も染め上がるのに半月以上掛かります。
美しい色を作り出すとというのは
半端な作業ではありません。

黄八丈に限らず
美しい染は 糸を痛めずに
染料の一番いい部分を引き出して糸に移すことが大切です。
そのためには 経験と勘、忍耐と重労働が欠かせません。

一枚の織物が出来上がるまでには
機に掛かる前の段階の方が大変なのです。

織り上がるまでに どれほどの手間隙をかけたか
ただ 時間をかける、というのではなく
きちんと 理由のある時間を必要とするのが
手織りの織物なのです。
それは 本物だけが持つ存在感を放ちます。

憧れの黄八丈・・・
まとってみたくありませんか?

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