上布揃い踏み。 上布いろいろの説明と絹の上布について。

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夏こそ、着物。
夏きものの美しさは格別ですね
夏は暑いから着物は着ない・・・という方がいる反面
着物は夏こそ!と 夏になるときものを着たくなる方もいらっしゃるのです。
夏きものの美しさに魅せられた方々。
だって 本当に美しいですもの。

只今 じざいやに最高の夏きもの、揃いました。

右から
喜如嘉の芭蕉布
琉球美絣 駒上布
新垣幸子 八重山上布

真ん中のは 駒上布、と呼ばれますが
麻や苧麻の上布ではなく、絹です。
駒上布、絹芭蕉、壁上布・・・上布に似せた絹織物です。
絹糸に強い撚りを掛けることで 艶を消し、シャリ感を出して
上布に似た風合いを持たせた織物のことです。
こちらの 琉球美絣は 真栄城興茂さんの美しい布です。
この画像では 透け感があまり分かりせんが 儚げに美しく透けています。
触ると シャリシャリとしたざらつきがあり 肌に張り付かず、風を通します。

絹ではない 麻や苧麻の上布は(麻と苧麻の違いはまた後日に)
まず南から 宮古上布、八重山上布
 北陸の 能登上布、近江上布、そして 越後上布です。
(からむしを会津上布、と称してることもあるようですが上布とは 下布・中布・上布の中の上布であり
上質な布として 幕府や宮中に納めされた布です。
越後上布、宮古上布、八重山上布には献上布としての歴史があります。

それぞれの上布について解説します。

@近江上布
近江商人によって全国に広められた麻織物で
江戸時代に能登地方がその高い技術を学び
明治時代には皇太子への献上品にも選ばれ、能登上布、と称するようになりました。
戦前は日本一の麻織物産地として120もの織り元がありましたが
現在は1軒が残るのみとなっています。

@宮古上布 重要無形文化財指定
 今から400年以上昔から琉球で織られていた苧麻織物ですが
 1609年に薩摩に制圧されてからは様々な税のうち
 身長が143センチを超える女性には人頭税として
 宮古上布の納付が義務付けられました。
 貢反布は 、役人の厳しい監督のもとに作られ、
 精巧な紺細上布を美しく仕上げるためには、
 原料の苧麻の選定から始まって、細い糸を績む高度の技術を持った紡ぎ手
 藍屋染色技術、絣締め等、一連の熟練した手を全部揃えなければなず
 大変な苦労を強いられました。
 宮古上布の条件は
 一 すべて苧麻を手紡ぎした糸を使用すること。
 二 絣模様をつける場合は、伝統的な手ゆいによる技法又は手くくりによること。
 三 染色は、純正植物染であること。
 四 手織りであること。
 五 洗濯(仕上げ加工)の場合は、木槌による手打を行い、
   使用する糊は、天然の材料  を用いて調製すること。
 最後の仕上げ加工で 蝋引きとも呼ばれる独特の美しい艶が生まれます。

@八重山上布 伝統的工芸品
 八重山上布もかつての献納布でしたが
 藍の宮古上布に対して白上布と呼ばれました
 基本は白地に紅露による焦げ茶の絣模様がくっきりと浮びます
 数多い沖縄織物の中でも刷込捺染技法を用いる織物は八重山上布のみです。
 海晒し、という 海中に漬けこんでオゾンで漂白することがあります。

@能登上布  石川県無形文化財
 今からおよそ2000年前に崇神天皇(すじんてんのう)の皇女が
 現在の中能登町能登部下に滞在した際、
 この地に機織りを教えたことが始まりと伝えられています。
 その後、江戸時代に近江(現在の滋賀県)から技術を導入して発展し
 大正4年には能登麻織物同業組合が設立されて能登上布は最盛期を迎えます。
 第二次世界大戦までの最盛期は織り元が120軒、出機数は6千軒を超え、
 年間生産反数20万~30万反となり日本一の産地となりました。
 昭和35年に県無形文化財の指定を受けます。
 しかしその後、近代化の波には抗いきれず、織子が化学繊維に流れ、
 徐々に織元は減り、衰退の一途を辿りました。
 昭和63年にはとうとう能登麻織物協同組合も解散され、
 現在は山崎家のみになりましたが
 平成8年には能登上布振興協議会が設立され 技術伝承を支えています。

@越後上布・越後縮  重要無形文化財・ユネスコ世界無形文化遺産
 絣は南で生まれ北上しながら技術を高め
 越後上布で完成した、と言われます。
 重要無形文化財で 要件は
 要無形文化財指定要件は以下のとおりである。
 一 すべて苧麻を手うみした糸を使用すること。
 二 絣模様を付ける場合は、手くびりによること。
 三 いざり機で織ること。
 四 しぼとりをする場合は、湯もみ、足ぶみによること。
 五 さらしは、雪ざらしによること。
 年間30反ほどしか生産されません。
 1反分の糸を績むのには熟練者でも1年近く掛かります。
 そこから 木羽定槻という道具で絣の柄を糸に移し
 手で括って絣を作ります。 そして地機で織りあげられます。
 人の手と手間暇が掛かるので高価になるのも致し方ありませんね。。。

‘芭蕉布
芭蕉布については昨日のブログでお話しましたので
こちらで 復習してください。

夏の憧れである上布たち。
いつかは!と思われてる方も多いと思いますが
絶滅寸前ですから 気に入った色柄に出会えたら
はない、と思ってください。
出会えたら チャンスです。
ここ数年 本当に生産数が減っていましたが
去年からのコロナで 絶滅街道まっしぐらです。
夏の美しい布。
絶えてしまわないためには着て街に増やすしかありません。
上布、着ましょう。

 

 

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