黄八丈コーデと黄八丈についての蘊蓄を。じざいや年末セール開催です。

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12月も10日になってしまいました。
今年が残り3週間だなんてビックリですよ。
年末やお正月の準備なんてなにもしてませんけどね。
もちろん、クリスマスも・・・。
今朝、自宅の階段から落ちまして(階段にモップ掛けてて濡れたスリッパが滑った)
脛から甲まで青あざです。
痛かったので自分を慰めるのに 塩パンあんバタ買っちゃいました。
ダイエット中なのに~~

さて 閑話休題。
今日は黄八丈です。クリスマスにも相応しい華やかな織。
山下家の黄八丈は本当に美しい・・・
美しいだけでなく その風合いは夢見心地です。
そして 私が山下さんマジック、と呼んでいる
綾織からくる色彩の不思議。
黄八丈三原色(あとでお話しますね)の苅安・マダミ・泥なのに
角度によって、ピンクや緑が浮き出ます。

コーディネートをご紹介する前に 黄八丈についてお話します。

八丈島で織ってる黄色い着物だから黄八丈と呼ぶのだと
思ってる方が多いのですが
八丈絹を生産する島だから、八丈島と呼ばれるようになったのです。
それでは 八丈絹とは何かと言えば
江戸時代は反物を織る長さが一疋(いっぴき=2反分)で
曲尺八丈(約24メートル)だったことに由来します。
今の一反は鯨尺で三丈、色無地などの共八卦の付いたものは
四丈と呼ばれています。

黄八丈は江戸時代、お米の採れない八丈島の租税として
幕府に上納されていました。
それを将軍家から大名、御殿女中などに下賜されたもので
御殿女中は打ちかけの下の小打着として着用していました。
江戸後期になって庶民の経済力も上がり
歌舞伎役者の娘衣装に使われたことで
一気に人気が上がりました。
江戸時代の流行は歌舞伎から発生するものが多く
黄八丈もその例に漏れませんでした。
また 漢方医が制服のように着ていたとも言いますので
男性にも愛用されていたようです。
御殿女中や医者が着ていたのは
時代劇で見かけるような大きな格子ではなく
無地っぽいのや小格子、細縞が主流だったようです。
江戸後期に庶民のものとなって大胆な格子などの
現在のイメージが定着したようです。

現在の黄八丈は「紬」として一括りにされてしまっていますが
くず繭や切れた糸を集めて織った
自家用野良着としての紬とは違う進化をした紬なのです。
越後上布だって 麻ですけどお姫様の帷子になっていますしね。
織の着物をなんでも「紬」として格下にみる風潮については
また改めまして・・・
だって、宮中の衣装は友禅ではなく 有職織ですもの。

黄八丈は人気があったからこそ 模倣され
後には銘仙やウールで黄色地に黒や赤の格子柄を生み、
秋田黄八丈や十日町黄八丈が作られることになります。
しかし 黄八丈独特の美しい色は 格別な存在感があります。

黄八丈はコクのある深く、澄んだ色調と高い堅牢度を誇りますが
染には独特の技法を用いています。
色ごとに技法が違うので 色別にご紹介します。
黄色の黄八丈。黒い黒八丈、そして 赤茶の鳶八丈です。
この三原色を駆使して 濃淡や交差する織で複雑な色味を織り上げます。

1、黄八丈。

黄八丈苅安ノート

八丈刈安、とも呼ばれるコブナ草を使います。
昔はいくらでも自生していましたが 除草剤の影響などで
減少してしまいました。
10月の半ばから終わりに 穂が出る前の草を刈り取り日に干します。
大釜に一抱えの干したコブナ草を入れて
2時間ほどに出して「黄ブシ」と呼ばれる染液を作ります。
八丈島の染色は 糸を「黄ブシ」で煮詰める煮染めではなく
桶の中に糸を並べて上から柄杓で熱い黄ブシを回しかける方法です。
熱い黄ブシをたっぷり掛けて一晩漬け置き(フシ漬けと呼びます)
翌朝糸を絞って日に乾かします。
乾かす時には 何回を糸を捌いて中まで風を通します。
何度もさばくほど 風合いの良い糸になるそうです。
夕方まで干したら また桶に並べて黄ブシを掛けます。
漬け置いて 翌朝干して・・・と12,3回繰り返します。
そして最後に島の椿のアクを揉み込むと
初めて あの美しい黄色に変化するのです。

2.黒八丈

黄八丈椎泥ノート

最近の一番人気の色ですが とても難しく染ムラが出やすい染です。
現在、山下家では年に2反ほどしか染めていません。
泥で染めます。泥染は大島紬が有名ですが
八丈島でも行われています。
八丈島では下染めに椎の木の皮を使います。
椎の木の皮を煮詰めた染液でフシ漬けを14,5回行った後に
一回目の泥染をします。
八丈島の泥はタンニンが強く 糸を痛めやすいので
泥染の後は 椎の木の染液を冷ましてから掛けまわしてフシ漬けにします。
冷ました染液でのフシ漬けをさらに5,6回して
2度目の泥染で真っ黒に仕上げます。

3.鳶八丈

黄八丈まだみノート

濃い目の黄色だと思われてる方もいるようですが
赤味の強い煉瓦色のようなのが鳶色です。
鳶の羽の色です。
これにはタブノキ(マダミ)という樹を使います。
樹齢30年以上のものを選び伐採して皮を剥ぎます。
この皮も大釜で煮出して染液にし
15回ほど繰り返しフシ漬けをしてから灰汁を揉み込み
さらに4,5回 タブノキでフシ漬けをして仕上げます。

どの染も染め上がるのに半月以上掛かります。
美しい色を作り出すとというのは
半端な作業ではありません。

黄八丈に限らず
美しい染は 糸を痛めずに
染料の一番いい部分を引き出して糸に移すことが大切です。
そのためには 経験と勘、忍耐と重労働が欠かせません。

一枚の織物が出来上がるまでには
機に掛かる前の段階の方が大変なのです。

織り上がるまでに どれほどの手間隙をかけたか
ただ 時間をかける、というのではなく
きちんと 理由のある時間を必要とするのが
手織りの織物なのです。
それは 本物だけが持つ存在感を放ちます。

そんな黄八丈に今日はこちらの帯を合わせました。
華やかな黄八丈が帯でしっとり上品に落ち着きました。

帯揚げにワインを入れることで 女度アップ。
この一色で ぐっと色気が増します。
帯もすごく素敵な 赤味の墨黒なんです。梅の枝ぶりがイイですよね。

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