紫根染のお話 ~高貴な色を日常に楽しむ~

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いつかは紫根染の着物が欲しい・・・・そんな憧れを抱かせるほど
紫根染の色は深く美しいです。
紫根は日本原種の多年草で、その名の通り 根っこに色の成分があります。
花は小さく白い花です。
沢山の色が取れるほど太い根になるには何年も掛かります。
そして 葉や実と違い 根は一度採ってしまうと
その植物自体は再生できませんので 採りすぎは厳禁です。
植物の命そのままを貰う色なのです。
万葉集の時代から大切にされ 数々歌われてきました。
有名なのは 額田王の「茜さす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」ですね。
この時代すでに紫草が都の近郊で管理されていたと思われます。
薬用としては 解熱、鎮静、皮膚再生の効果があるとして
紫の成分を使った紫雲膏、という軟膏が江戸時代から売られています。

日本では推古天皇11年(603年)に冠位十二階を定めたときから
色による位が定められました。
一番地位の高い「大徳」を濃紫とし
以下 青、赤、黄、白、黒 にそれぞれ濃い、薄いがあったとされます。

当時、 「色」というものは 上級階級のもので
貴族、寺社、武士などの中で 意味を持つものであり、
庶民には縁のないものでした。
色、とは贅沢品であり その中でも「紫」は特に温度管理など
染める時の手間とお金がかかり、濃くするのは難しいためもあって
最上級とされたと思われますが
もちろん、その色の魅力故の最高位です。

藤原益夫さんの紫根染。
冬の寒い早朝に1週間かかり切りで染めるそうです。

江戸期になり ようやく町人階級にもお金を使って”色”を所有できる人たちが現れ
次第に一般町人にも 装飾品への関心が高まり
色に対する興味が広がっていくようになりました。
しかし 高価な紅花染めや紫根染めは庶民には禁じられていたのです。
高位と富の象徴である紅と紫は 庶民にとって手の出せない憧れの色でした。
そこで本物の紅、紫よりも安価な
蘇芳や藍と蘇芳で染めた「似せ紫」(にせむらさき)、
少量の紅で染められた一斤染などが庶民に親しまれました。
(一斤は約600g。深紅の唐紅には10斤の紅花が必要とされました)

今は誰でもが好きな色を楽しめる時代になりました。
ありがたいことです。
染料の希少性と 美しい色を出す技術の難しさから
今も高価な染物ではありますが
本物の紫根、茜の色の美しさは画像では再現されませんので
ぜひぜひ実際にご覧になりにいらしてください。
紫根染の絞の名古屋帯、たっぷり全通の七宝繋ぎ。
小紋や紬全般に 真夏以外お召頂けます。

紫根染絞りの名古屋帯
紫は数々あれど
紫根染の紫は日本人好みで日本人に似合う色なんですよね

 

 

 

ピンクの読谷花織。これもなかなか無いです。
帯はともかく、着物では紺やグレーなど濃い色目が多いですから。

フラッシュで青味が強く写ってしまいました・・
えどいろさんの桜の帯留と一緒に。

洋服での紫はなかなか難しい色だと思いますが
着物での紫は 日本の色として違和感なく 幅広くお召頂けます。


破れ格子の十日町紬に合わせて。
この破れ格子も これからの季節、単衣として活躍してくれます。
チェックのようなきちんとした格子ではなく
動きのあるところが面白く、でもモノトーンで出しゃばることもなく
いろんな帯で楽しめる着物です。
まだ単衣を沢山お持ちじゃない方に
使いまわしとお洒落度の両方を兼ね備えた1枚としてお勧めです。


週末もお天気がよくて 暖かくなるそうです。
元町も 花が咲き始めています。
陽気に誘われて・・・・お出かけください。

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