本塩沢の本領発揮の日。本塩沢のお話

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こないだまでの真夏日の日々が遠い日にように
朝晩 寒い!と声が出てしまうほどの
涼しい日々です。
梅雨が近いのか 雨やら曇りやらで
湿度も高めで 気分も下がり気味。

そんな日に サラリと肌触りが良くて
大島ほど気密性がないので 風を通してくれて
気持ちよく着られるのが 本塩沢です。
シボの凸凹が 密着度を下げて
べたつかず 足元にもまとわらずに
足捌きも軽快です。

今日のご紹介は 本塩沢。
シックな ベージュに蔦唐草の絣模様です。
唐草大好き💛

帯は 竹の繊維を使った越前竹紙布の八寸を。

コーディネート画像

本場大島紬、本場結城紬など「本」が付くものは
組合がしっかり管理していて
検査があり、合格すれば 正しい証紙が貼られます。
本塩沢について お話いたしましょう。
塩沢お召、とも呼ばれますが
本塩沢、が正しい名称です。

まず、塩沢という地域では奈良時代から良質の麻織物が織られていて
正倉院宝物として保存されています。 これが越後上布です。
麻織物「越後上布」の技術が江戸時代の寛文年間の頃に絹織物に応用され
生まれたのが「本塩沢(塩沢お召)」です。350年ほど昔のことです。
この後、江戸中期に真綿糸を使用した「塩沢紬」が創られました。
更に、明治時代になりこれらの絹織物を夏物として改良して生まれたものが「夏塩沢」になります。
強撚糸の技術はずいぶん昔からあるのですね。

現在 新潟の塩沢地域では 越後上布、本塩沢、塩沢紬、夏塩沢が織られています。
組合員の織元は10軒ほどで 名前だけで実働していない織元もありますし
退会して組合に入らず(組合の検査が受けられないので証紙が貰えない)に
織ることを続けている織元もあります。

本塩沢の証紙はこちら。

画像

越後上布は越後の湿った冬に織るものですから
織元は冬以外に苧麻の糸採りの他 本塩沢や塩沢紬を織っているのです。
本塩沢が本塩沢として伝統工芸品の証紙を貰うには条件があります。
使用される原料は、生糸です。

技術的には
1・先染め平織りであること。
2・経糸と緯糸の絣を手作業で柄合わせし、模様を織り出すこと。
3・地糸の緯糸には米糊・蕨糊・布糊を用い、糊付け後「追い撚」をする事。
4・絣糸の染色法は、「手括り」・「手摺り込み」・「板締め」・「型紙捺染」による事。
5・「シボ出し」は「湯もみ」によること。

科学糊は不可なんですね!
絣については現在は板締め絣は白鷹のみですので 十字絣や亀甲は手括り、
柄ものは手刷り込みや型紙捺染が多いようです。

強撚糸によるシボがありますが
2000回転ほどの撚りをかけています。
普通の生糸は 600~700回転なので 3倍の撚りが掛かっています。
その撚りが縮もうとする力を利用してシボが作られるのです。

バブルの頃は 細かさを競って200亀甲とか
100色絣とかもありましたけど
今や 蚊絣でさえほぼ絶滅してしまいました。

いつでもあるような気がしていた織物も
今では希少なものになってきています。
悲しい現実ですが
織元も廃業が続いて 技術も受け継がれていません。

箪笥に 本塩沢がありましたら
着てあげてください。
5,6月。9,10月が 本塩沢の旬です。
(袷に仕立てれば 秋冬ものにもなります)

最後に1つ 強撚糸を使った織物は
濡れると 撚りを戻そうとする力が働き
生地が縮んでしまいます。
それを防ぐために ガード加工が必須です。
昔は ガード加工をしないで仕立てることが多かったので
母の本塩沢を着ていて 雨に当たり
足元から どんどん生地が縮んでしまって
足首が見えるほどになったことがあります。
そうなると 解いて洗い張りをするしか
元に戻す手立てはありません。
ガード加工(防縮加工)をお忘れなく。

 

 

本日も、読んでいただき、ありがとうございました。

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