一昨日の立冬を過ぎて 樹々が色づいてきました。
花の少ない季節ですが 紅葉した葉っぱが彩りを見せてくれます。
朝晩が冷えるようになって 夜には温かいものが欲しくなりますねー
夕飯にお鍋がのぼるようになりました。
日中20度になって単衣でも過ごせますが
そろそろ本格的に袷を出さなければ・・・
今 寸法があってる袷が少ないんですよ(泣き)
袷の季節までにダイエットして着物に身体を合わせるつもりだったのに。
仕立上がり品は寸法が合っていればすぐにお召いただけて
お値段も反物で買うよりお安くて仕立代も不要ですから
ありがたいですね。
今日のコーデは
仕立上がりの花織入りみさやま紬に 芽生え帯を合わせました。
花織入りのみさやまは現在織られていないので稀少です。
そもそも みさやま紬。あまり市場に出回っていないので
ご存知ない方も多いかと思います。
みさやま。漢字で書けば三才山です。
長野県の松本市と上田市の境辺りの山です。
信州は 元々養蚕の盛んな土地ですから
長野県内でも 多くの紬の産地があります。
代表的なものに
伊那紬、上田紬がありますが
かつて 各々50軒以上あった織り元も
今では10軒ほどに減ってしまい後継者不足に悩んでいます。
みさやま紬を名乗るのは 横山さんの家一軒だけです。
以前は家族で染めて織って、とされていましたが
ご両親が相次いで亡くなられ
現在は 俊一さんご夫婦でされています。
お父様(横山英一氏)の代から
自宅の裏山で採れた植物を使い
自宅の田んぼで採れた藁を焼いて灰をつくり精錬に使ってきました。
今もそのままの手仕事が続けられています。
自宅で採取した植物は新鮮で発色が良いのが自慢です。
売っている材料では濁った発色になるとおっしゃいます。
「山に染色用の木を採りに行く前には 神様にお祈りして
山のものを頂きます」と挨拶をされます。
今までに 何度かお邪魔してお話を聞いています。
染めは、葉や花では堅牢度が低いを感じるそうで
木本体の皮や枝、実を使用して染めています。
山漆で染めるのはとても珍しく
美しい灰白色から深い墨黒まで発色します。
機場には6台の機がありました。
かつては 家族一人に一台使っていたそうですが
今は ご主人と奥様で一度に2,3台を使い
同時に織進めているそうです。
ここでも問題は後継者でした。
今までも、幾人もの若い人がお弟子さんとして来ては
数年で辞めていったそうです。
横山さんの工房では、単に機を織る、ということだけでなく、
機場の掃除から様々な雑用もこなして糸の扱い、
染めの技法、織の組織などを覚えなくてはなりません。
大きな工房のような分業ではないのです。
修行に近い形ですから一層難しいでしょう。
自分の信じる「良いもの」を作るために研究を重ね、
独自で作り上げた技術を伝えるには、
10年は共に苦労しないと本当のコアな部分は伝えられないのに、
そこまで育った人はいないのだそうです。
ご両親もご健在の時は、ただ作ることだけに専念していたけど、
今になって後継者をきちんと育てていなかったことを
とても後悔しておられるそうです。
お嬢様がおられますが 継がせても苦労させるだけだから、と。
現在 手伝ってはおられますが。
デザインも横山さんがなされます。
縞、格子がほとんどですが
技巧に走らない分、色の美しさと風合いの良さを身上としている着るための紬です。
豪華さはありませんが日々着ていて飽きることがなく、
糸質が良いので、シワになり難くとても軽いのが特徴です。
単衣でもお勧めです。
「30年以上やってきて 人間以外のなにかに生かされていて
その中で 出来る限りのことを命をかけてするしかない」
熱い心と ロマンチストな想いを抱えた横山さんのみさやま紬。
その中でも 花織入りは 浮き織の糸が飛び出してしまわないよう、
花織部分の上下の緯糸でしっかり押さえられていて
擦れても糸がほつれない工夫がされています。
細い糸で織られていてとても繊細です。
そこに 藤田さんの芽生えを合わせました。
真綿同士の布感の相性の良さと
芽ばえのポップな小花が良いアクセントになって
コーディネートを引き立てあいます。
ちょっぴり クリスマスを意識した小物を取合わせました。
花織のみさやま紬、仕立上がりで11万、とお買求め安くなっています。
寸法の合う方はぜひ~~
華やかさはありませんが 透明感のある草木染の色で糸の良さから艶もあり
花織の中の茜や玉葱が ほんのり色を添えてくれます。
いろんな帯でお楽しみ頂けます。
寸法は
身丈 背から 4尺2寸
裄 1尺7寸
袖巾 9寸
袖丈 1尺3寸
後幅 7寸7
前幅 6寸1
繰越 8分
お直しなどはお問合せください。
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