今日は あちこちヒョウが降ったりの不安定なお天気でしたね。
5月は単衣がデフォルトになってきましたけど
6月にはもう、夏物に手が伸びそうです。
一口に夏もの、と言っても 素材や織り方がいろいろ過ぎて
何に何を合わせればいいのやら・・・
自分が持っているものが なになのか分からなくなってる場合も。
本格的な夏になる前に おさらいしておきましょう。
夏の着物の魅力は なんと言っても涼感あふれる素材感にあります。
透かしの入った絽や紗の染物や
強捻糸を使ってシャリ感を出した夏大島や夏塩沢などの夏紬。
麻や麻と綿の交織や
綿でも違う太さの糸を織り込んで 凹凸をつけた紅梅生地など
バリエーションの豊富さも楽しみです。
しかし 種類の多さが いつ、どれを どこに着れば良いのか?という
悩みの元でもあります。
6~9月の4ヶ月の間に単衣の時期と盛夏用の時期があり
(4~10月も単衣とすれば7ヶ月ですが)
夏にしかない素材も多種多様なのですから 悩ましいのも当然です。
格付けで言えば
単衣のフォーマルは絽縮緬、絽などの絹の夏用白生地に訪問着や付下げ、
色無地などを染めたものになります。(紗は盛夏用の生地になります)
その次が 夏牛首や夏大島等、夏紬の後染のもの。
縞や絣の夏紬(絹織物)と続き 麻織物、最後に木綿になります。
上布はかつては友禅や刺繍もされて御姫様の夏の衣装でもありましたが
現在ではあくまでも上等なお洒落着です。
@夏の着物 柔らかもの編
絽縮緬・・・6,9月の単衣の時期の絽織り。生産激減。
![](https://i0.wp.com/jizaiya.stars.ne.jp/wp-content/uploads/2022/06/05ecb9fe780ef8a99cd104eec7198617.jpg?resize=420%2C560&ssl=1)
絽・・・絽目の間隔によって 二本絽 三本絽 五本絽などがあり、
間隔の狭いものほど透け感が高く盛夏向きになります。
一般的な緯絽と 経に隙間のある経絽とあります。
![](https://i0.wp.com/jizaiya.stars.ne.jp/wp-content/uploads/2022/06/image.png?resize=460%2C580&ssl=1)
紗・・・捩りを入れた織り方で全体に透け感があります
![](https://i0.wp.com/jizaiya.stars.ne.jp/wp-content/uploads/2022/06/74e693689d71ac7b6a22bfd822a848fc-1-e1654266682365.jpg?resize=460%2C613&ssl=1)
@夏の着物 紬編
生紬・・・生糸についているセシリンという成分を残して精錬しシャリ感のある生地に織り上げたもの。
透け感によって単衣~夏に着用します。
![](https://i0.wp.com/jizaiya.stars.ne.jp/wp-content/uploads/2022/06/image-2.png?resize=481%2C640&ssl=1)
夏紬・・・各地方で織られている産地紬を撚りを掛けた糸で織り上げたもの。絹上布、や 絹芭蕉などと呼ばれるものもあります。
夏琉球絣、夏大島紬、夏黄八丈、明石縮みなど。
![](https://i0.wp.com/jizaiya.stars.ne.jp/wp-content/uploads/2022/06/604fd02fead3e7ea9026f92ab882ead7.jpg?resize=561%2C800&ssl=1)
麻もの、上布・・・ 手績み苧麻で織られた上布各種。
上布についてはここ
![](https://i0.wp.com/jizaiya.stars.ne.jp/wp-content/uploads/2022/06/PXL_20210710_080418116.MP_-scaled-e1654267282666.jpg?resize=460%2C345&ssl=1)
ラミー糸を使った 小千谷縮、近江上布など。
帯はさらに素材や織方が増え
どの着物に どの帯を いつ合わせてたらいいのか迷います。
金銀の入らない洒落物限定で仕分けてみました。
@シナ布、藤布などの自然布。
使用時期は初夏の単衣~秋の単衣まで。
今の時期にはもう締められます。
元々は一年中使われていた素材ですが
現在では そのザックリとした風合いが冬にそぐわないとされています。
柔らか物には合わせず 夏紬以下の格のものに。
![](https://i0.wp.com/jizaiya.stars.ne.jp/wp-content/uploads/2022/06/4d09cad155832519a87c69c96e0c16c6.jpg?resize=420%2C315&ssl=1)
@綴れ、絽つづれ。
綴れ織り、という織方に格があり、柄も金銀の入った格調高いものがものが多いので本来は柔らか物向きです。 後染の夏紬や夏お召、無地の夏紬などには合います。![](https://i0.wp.com/jizaiya.stars.ne.jp/wp-content/uploads/2022/06/c7a67ed370a2f3e283e8daa83666170f-e1654267685825.jpg?resize=460%2C306&ssl=1)
@羅。
複雑で精緻な織りが魅力です。袋帯や後染にされたフォーマル用ものもあります羅の織りだけで表現された無地の八寸は フォーマルから上布までオールマイティに使え1本あると便利です。
![](https://i0.wp.com/jizaiya.stars.ne.jp/wp-content/uploads/2022/06/4d88b96c8b5d5379bb3207eb08ceecd9.jpg?resize=420%2C315&ssl=1)
羅(もじり織り)で柄を織り出された八寸は カジュアル用として
夏紬~麻の着物にも。
@絽や紗の後染め
絽は生地が薄く九寸になるので八寸の紗より格が高くなります。
光沢のある絽織りは柔らかもの向きですが
生紬や紬地、変り織りのものは 夏紬や麻にも。
織りの帯にはない柔らかさが 夏きものの硬さやハリを和らげてくれます。
染の技法も友禅、無線友禅、ロウケツなど 様々な表情を見せてくれますので
帯を主役にしたコーディネイトも楽しめます。
@博多帯
夏の紗献上は7,8月限定ですが、透けない、普通の博多献上は一年中使えます。小紋から浴衣までOKです。
ザっと書いただけでも結構種類ありますので
最初のころは見分けるだけでも苦労するかと思いますが
分かるようになると
夏着物こそが楽しい、という夏フェチの方も多いです。
今年の夏は ぜひ 夏きものをお楽しみください。
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