小千谷縮の洗い方

6月から小千谷縮を着ちゃってるんですけどね。
麻の襦袢はもう5月から着ていますし・・・
今年も既に何度か洗っています。
麻のお襦袢、着物は自分で洗えるのが一番のポイント。
でも・・・着物を自分で洗うのって怖いですか?

私は 本当に不器用でズボラで なんで着物屋やってるのか?ってほど
半衿付けも嫌いで ファスナー付のローズカラーですし
しょっちゅう袖を引っかけたり、襦袢を破いたりしています。
そんな私でも 小千谷縮を自分で洗ってます。
大丈夫です! やってみましょう。
丁寧で理想の手洗いと めんどくさがり屋さんの洗濯機洗い。どちらでも。

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気温が20度を超えると
麻のお襦袢を出してきます。
麻の着物はさすがに6月の20日頃から・・・と思いますが
襦袢だけ先に麻にすると
ずいぶんと暑さを減らせますし
自分で洗えるので 汗が怖くありません。
これからの季節、1枚は欲しい麻や綿麻は
襦袢でも着物でも
自宅で洗濯が可能ですので
洗い方のコツを覚えて さっぱりとお召しください。

まず、自宅で気兼ねなく洗うためには
仕立にちょっとした工夫をします。
じざいやでは 自宅洗濯仕様、と呼んでいますが
まず生地を水通しして縮ませておきます。
仕立の糸は絹ではなく シルックなどの水に強いものを使います。


さて、洗っても大丈夫なように仕立てたお襦袢や着物は
数回着たら洗ってみましよう。
まず、きちんと畳みます。長さは洗う容器に合わせて。
洗面台やタライ、バスタブなどに
極薄くお洒落洗い洗剤を溶かしておきます。
1,2度しか着ずに 大して汗もかいていないなら
洗剤無しでも構いません。
そこに畳んだ着物(襦袢)を漬け込みます。
この時 必ず水を使用してください。
お湯を使うと縮んでしまいます。
漬けたら優しく押し洗い。
麻はこするとケバ立ちやすいのでもみ洗いはしません。
衿や袖口の汚れが気になったら
繊維に沿って指で汚れをしごき出すようにしてください。
  
と・・・ここまでは理想の自宅洗い。
あくまで自己責任ですが 私の洗い方は
畳んだら ネットに入れて洗濯機に入れてしまいす。
お洒落洗いモードで回したら
脱水は10秒で強制終了。
そのままお風呂場に直行して
ネットから出して 畳んだまま上からパンパン叩いて
シワを伸ばします。
↑ここ、重要です。テストに出ます。
とにかく 干す前に手でシワを伸ばす!
叩いて 引っ張って形を整えます。
ただし、無理に引っ張り過ぎると伸びすぎて長くなってしまいます。
ほどほど、シワが無くなる程度に。

まだ水が滴ってる状態が理想の干すタイミングです。
水が繊維に沿って落ちる時に重みでシワも伸びていきます。 
畳んだままお風呂場のタオル掛けに掛けて30分ほど水切り。
水が落ちてこないくらいになったら
パンパンと手で叩いてシワを伸ばしながら
着物ハンガーにかけます。
繊維にそって優しく引っ張ったり叩いたりしながら
伸ばしますが 特に襟元は厚くなっているので
念入りに伸ばしてください。

麻は数時間で乾きます。
パリパリになる前の生乾きのうちに畳んで
シーツなどの薄い布に挟んで
(タオルだと凸凹になります)
適当な重しをしておきます。
大きめの雑誌やクッション程度で充分です。
そのまま半日もすれば自然にプレスされて
ピンとして気持ちの良い麻着物の洗いあがりです。
この時に畳みジワが出来てしまったら
霧吹きでシュシュっと水を掛けて再度重しを乗せれば
きれいに直ります。

案ずるより産むが易し。
やってみてくださいね。

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じざいや
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絽・紗・羅の違




夏物・・・透ける着物・帯の総称ですが とても種類が多いのが 夏物の特徴でもあります。

透けるから夏物なんだろうけど 一体これは何? いつ、どんなコーディネイトで着るの?

という お問い合わせを頂くことも多いですし 検索キーワードには 

「絽と羅の違い」なんて言葉が多く出てきますので 夏物について 書いてみます  

まず 大抵の呉服屋さんで夏の着物、と薦められるのが「絽」。

小紋~振袖、留袖などの正装にも使われる 夏の定番です。

三本、五本、または七本ごとの緯糸に経糸を絡め 隙間を作って織られたものです。

それぞれ、三本絽、五本絽、七本絽と呼ばれ 絽目(隙間)の幅が広くなっていきます。

経糸に緯糸を絡めた 経絽もあります。

また 糸に撚りをかけない平絽と 強い撚りをかけた駒絽があり 駒絽の方がシャリ感があり涼風に優れています。

絽に様々な模様を織り込んだ 紋絽もあります。​絽の帯。​ これも絽ですが 糸の太い絽つづれ、という八寸帯。

次いで「紗」

絡み織りの一種です。

経糸二本が一組になり そこに緯糸が織り込まれるごとに 経糸がよじれ、 隙間を作る織り方です。

絽よりも全体の透け感が強くなります。

いくつかの種類があり メーカーによって呼び方も違うことがありますが

粋紗(翠紗・すいしゃ)と呼ばれるものは 玉糸を使って紬風の風合いを持たせたものです。 (玉糸を使っていないものもある)

紋紗 は 地模様を織り出した紗です。

近頃見ませんが アンティークによくあるのが二重紗。

二重組織になっていて 裏と表が別の色で織られていたり、裏が縞や市松などの 柄になっていたりします。

着物のほか、コートにしたりします。

贅沢なお洒落着として 名前は耳にするけど なかなかお目に掛かれないのが 紗合わせ。

紗を2枚、もしくは 紗と絽を合わせて仕立てたもので

表に無地、裏に友禅柄などを描くことで 表地を通して裏の柄が透けて見えるもので 単衣の時期のきものとなります。  

「羅」もよく耳にすると思います。

正倉院の御物にもあるもので 古くから知られてはいたものの 

織り方が複雑すぎて 一時は技術が途絶えてしまっていたものを 昭和になって 北村武資氏が復元しました。

紗や絽より複雑な搦み組織で、 紗や絽は二本の経糸が一組になって緯糸を交差するのに対して、

羅は経糸すべてが次々と連続的な交差をし、ねじれて連なっています。

織る、より編むような感じ。

機も特殊なものです。

本物の羅は限られた高価なものですが

一般に羅の帯、羅のコートと呼ばれるものは 太めの糸で荒く織られた「荒紗」のことです。

夏の紬は 透け感のあるものを紗紬、夏紬と呼びますが撚りを掛けた糸や生紬を使って シャリ感を出したものの総称です。各産地の名のついた 夏大島、夏黄八、夏塩沢、夏牛首、夏結城・・・夏大島は奄美や鹿児島でも織られていますが夏黄八は 八丈島ではなく十日町で織られています。夏結城も 結城ではなく十日町で織られているものが多いですね(結城では 真綿と麻の交織の夏結城を見せてもらったことがあります)明石縮 も明石の名が付いていますが十日町産です。まぁ 産地はどこであれ 夏の季節に着る 透け感のある紬で 以前は盛夏(7,8月)のものでしたが近年は 透け感の少ない濃い色のものは 単衣の終わりや 秋単衣の最初の時期にもお召しになるのも ありになってきました。 だって 6月9月でも30度超えたら  普通の単衣なんか暑くて着られません~~~盛夏は麻ものしか着られないし^^;